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直流電化計画~2

100均の USB TwinChargerに手を加えて、直流電化計画用の電源分配器を作ってみた。

USBツインチャージャー~外見まず外見はこれ。一見すると2ポートのUSBハブ。上蓋は四隅の一体成型のピンで下部の穴に刺さっているだけなので、工具を使わずとも指の爪で簡単にはずせる。中の基盤も固定されていない。パッケージには「充電専用」と書かれているが、USBのD+とD-も接続されていてチップ抵抗がソケット1つに対して4個ついている。iphone用の充電対応のためだろうか。

USBツインチャージャー~中身USBツインチャージャー~配線側

USBツインチャージャー~改造後さて改造。USBプラグのほうを取り外し、同じ場所に12V給電用の110型カプラーを差し替える。断面が細長いUSBプラグより110型カプラーのほうがやや正方形に近いのでケースを削る必要があるが、やわらかい材質なのでそんなに苦労は無い。
横っ腹に穴を開け、片側は4極カプラーの受電側、反対側は給電側。中は一部空中配線だが何とか納まった。

USBツインチャージャー~壊れましたところで、このUSBツインチャージャー、すごくヤワである。改造作品とは別にそのままの形で使用していた製品が、USBケーブルを斜め方向にに引っ張ってしまっただけで基盤が割れた。ノートパソコンの蓋を閉める時にケーブルが引っかかった状態だったので、決して大きな力ではない。基盤が薄くて(0.9mm)取り付け穴が大きいのが原因だろう。
製作コスト削減のためか、USBの金属部分のつめは半田付けされていない。足を折り曲げるだけの固定すら不完全だ。だがもし頑丈に固定されていたら、今度は基盤のほうに力が加わって真っ二つに割れているかもしれない。

100均USBハブ参考までに、同じメーカーの100均USBハブのほうは、基盤厚1.1mmで一応は半田付けで固定されている。

次に作る時にはUSBツインチャージャーはパーツ取りにして、基盤は別に作るほうがよさそうだ。なんせ105円でプラグ1個とソケット2個が入手できる。

直流電化計画~1

鉄道ネタではない。部屋の中に何個もあるAC-DCアダプターを撤去して、換わりにひとつの電源から直流を供給しようという計画である。

机回りには外付けHDDが3台。携帯とスマホがコネクターの形式別で4種類。 タブレットはDCプラグの太さ別で2種類。他にUSB電源を使う小物が数台。現在はAC電源もUSBハブもタコ足状態である。これらをAT電源から給電して、省電力化と空間の有効活用を目指す。

などと難しそうに書いたけど、手持ちの電源から分電するだけの作業ですごめんなさい。

直流化計画分電盤さて、分電基盤用の適当な大きさのケースを探しに100均を物色して発見したのがトレーディングカードケース。ちょっと大きいかなとも思ったが、前にデジットでまとめ買いした小型のプリント基板がちょうど収まる。ポリプロ製で加工もらくらく。
で、できたのがこれ。

パーツと呼べるのは電源入力のコネクターとUSBソケット2つだけの単純構造。余裕があるのでまだ増設可能。

 

直流化計画分電盤:入出力使用する電源はATXより前の規格のAT電源。物持ちがいいと言うか、とにかく年代物である。電源の供給はHDD等に差し込む4ピンのペリフェラルコネクターを使用。いつ壊れるかわからん電源なので、この先ATX電源に置き換える可能性を考慮してマザー接続用の12ピンコネクターは使用しない。直流化計画分電盤:出力プラグ

給電方式は、5VはUSBコネクターを使用。ソケットを離して取り付けているのは、100均で売られている「USB Twin Charger」と言う名前の、USB電源分配器を並べて差し込める間隔にしたため。

12V出力は近くのホームセンターやカー用品店でも入手できる「110型カプラー」を使うことにする。このコネクター、プラスマイナスの極性が決まっているのかと思って検索したが良くわからない。とりあえずは凹みのあるほうを+側に決める。

さらに延長用として、同じ「110型カプラー」の4極タイプを使用。緑色の線は未接続だが、将来はATX電源の3.3Vも使用する可能性を考えている。さらに外付けHDDの内の1台はAC-DCアダプターからミニDINに5Vと12Vを出力している。こちらの直流化も4極コネクターを使う。

と、まあ、簡単な工作であるが、思いついてからあれやこれやと悩むこと一ヶ月。この時間が楽しいのだ。

注)コネクターもカプラーも同義語らしい。私は普段はコネクターと言う言葉を使うが、110型カプラーは商品名なのでそのまま記事中で使っている。書いているうちにややこしくなってるが…。

ペルチェクーラー~2

忘れた頃に…、というわけでもないが、電源はとりあえずはATX電源を使用することにして、気を取り直して再開である。

ところが、一難去ってまた一難。通電してみると、あらら、ペルチェ壊れてる!!
放熱側のペルチェがうんともすんとも言わない、いや、もともと音は出ないけど、熱くも冷たくもならない。
かくして気温は上がってもテンションは下がる一方で、再中断…

まな板の上のペルチェで、数日後。再注文のペルチェが届く。壊れたのと取り替えて、雑な工作のゆがみが目立たないアングルで撮影。下部に見えているは不良品の電源だが、台座を兼ねているために取り外していない。
ペルチェ結露中

ヒートシンクを取り付け、排熱側に5V、吸熱側に3.3Vを通電してみると、数秒で結露した。温度計も購入しておいたので取り付けてみると、100均まな板の取っ手の部分にうまい具合にすっぽり入った(笑)。室温30℃で8.8℃を記録。測定位置はヒートシンクの谷底の位置だが、ペルチェの表面だと氷点下になっているのかもしれない。どっちみちこの温度計は0℃以上しか測定できないのでわからないのだが。

ペルチェ冷却中一応、これで実験は成功。PC回りの冷却に使うとしても排熱をどう処理するかとか、電源をどこに取り付けるのかとか、課題はまだまだあるが、もたついているうちに涼しくなってしまった。来年暑くなってから、覚えていたらまたやります。

ペルチェクーラー~1

ジャンク箱の中を漁っていたら、ありゃ懐かしい、その昔クロックアップに挑戦していた頃の残骸のペルチェ素子が出てきた。
通電してみたがどうやらお亡くなりの様子…。だがちょいと頭が発熱した。

仕事部屋は普段から冷房を入れない。節電がどうこうよりも座り仕事で冷房を入れてると腰が固まって伸びなくなってしまう。だがPCにとっては30℃超の室温は過酷だ。画像や動画処理をしてると冷却ファンの動作音が半端なくうるさい。
PC内部にペルチェを入れると結露と排熱で苦労しそうだし、PC本体の吸気側から冷気を送り込むことにして、机の上のパソコンや外付けHDD周りだけを部分冷房できないか、が今回の目的。

先人達の工作記を拝見しているといろいろと苦労しておられたようだが、なんとかなるさと取り敢えずはペルチェ購入。仕様は、
最大電流:6A
最大電圧:15.4V
最大温度差:68℃

素人なりに解釈すると15.4V6Aを流した時に68℃の温度差が生じる。つまり室温が28℃であれば吸熱側は-40℃に下がる。ただペルチェ自体の発熱があるので、放熱をちゃんとしないと温度は上がり続ける。ということか。
それと、ペルチェの2枚重ねが冷却効率が良いという記事があったので真似る事にする。

100均まな板ベースに使うのは100均のまな板(笑)。ポリエチレン製で耐熱・防湿・絶縁の目的にかなっている。4cm角のペルチェが収まるようにドリルで正方形に小穴を開け、ヤスリとカッターナイフで整形。コードを引き出す部分は彫刻刀で削る。なんだか歪んでしまったので写真はお見せできない。6mm厚のポリエチレンは思ったより手ごわく、ここまでは汗かき作業。

ヒートシンクは45mm角のものを同時購入。ねじ穴つきなので固定方法に悩まずにすんだが、目分量で作業していたら表側と裏側で斜めになってしまった。ま、ええわ。
冷却は扇風機でとりあえず代用するとして、手近にあった電源(12V3A)2台で通電テスト。放熱側はなんとか手で触れる程度の熱さ。吸熱側は冷え冷えで結露した。温度計を持っていないので測れないが、45℃と10℃といったところか。まずまずいけるんでねえか。

ファンは手持ちのものを使用。90mm角のファンが強力そうだが、中央のモーター部の直径が35mmもある。45mmのヒートシンクに対してちょうど風が当たらずに冷却効率が悪そうだし、風洞を作る気もないのでこれは吸熱側に使用する。
排熱側のファンを物色しているとエスカルゴタイプのが出てきた。吸気孔の直径50mmとおあつらえ向き。これは昔なつかし吉野電装で買ったもの。フルタワーケースの中で1台動いているが、予備で買っておいたもうひとつのファンが、10数年経ってやっと出番が来た。

ペルチェクーラー:吸熱側ペルチェクーラー:排熱側ペルチェクーラー:真上から

電源は12V20Aのスイッチング電源。吸熱側についている理由は、穴あけの際に裏表を間違えただけのことで、あとでまたやり直しましょ(笑)。
で、通電してみると、期待したほどではない……。
排熱側は暖かく吸熱側は少し冷たい。ありゃりゃ、と付けたり外したり入れ替えたり。ひょっとして、と思って電圧を測ってみると、8Vしか出てないやん。もしかして220/110V切り替えなのかとおもったが、それらしきスイッチは無い。
この電源、届いた時には外箱は潰れていないのに中では本体のカバー部分がぐにゃと凹んでいたが、まったく気にしていなかった。気付いた時には返品期限は過ぎていてトホホである。中国製の安売りには要注意。
多分続く…